2013年4月21日時点においてリアルトレードで運用中の
NYボックス ver.5.2(ユーロ円)ですが、
マイルールを公開しておきながら、
バックテストの結果についてはアップしていなかったので、
ここではその結果について述べていきます。
(単にサボっていただけですが)
はじめに現時点におけるバックテストの結果を
pips表示によるグラフ・数値データを用いて示し、
また資産の増減率について整理をしました。
(2節・3節)
次にテスト結果から見えてきた課題、
今後のアイデアについて検討を行いました。
(4節・5節・6節)
最後に上記の課題を解決するため、
今後のテストの進め方などについて述べています。
(7節)
なお今回の記事ですが、
なるべく整理しコンパクトを心がけましたが、
長文となっています。
2.バックテスト条件 ------------
対象とするマイルールは運用中のNYボックス ver.5.2です。
通貨ペアはユーロ円。
そしてテスト期間は2010年1月~2013年3月までの、
3年3カ月を対象とし、フォレックステスターを用いて、
ローソク足を1本ずつ表示しながら、テストを行いました。
バックテストにかかる所要時間の目安ですが、
1ヶ月分は概ね10~15分もあればテスト可能だと思います。
(1ヶ月間のトレード回数が多くないため)
3.バックテスト結果 ------------
下図にテスト期間における累積損益pipsを示します。
青線は買いのみ、緑線は売りのみ、
赤線は売り買いを合計した損益pipsとなります。
グレー線はユーロ円のチャートとなります。
(オープン・クローズ・高・安の単純平均)
次に具体的な数値を以下に示します。
・トレード回数 ; 231回 (うち、買 111回 ・ 売 120回)
・勝トレード数 ; 121回 (うち、買 60回 ・ 売 61回)
・負トレード数 ; 110回 (うち、買 51回 ・ 売 59回)
・勝率 ; 52% (うち、買 54% ・ 売 51%)
・総獲得利益 ; 2234pips (うち、買 1745pips ・売 489pips)
・総勝ち利益 ; 11645pips (うち、買 5828pips ・ 売 5817pips)
・総負け損失 ; -9411pips (うち、買 -4083pips ・ 売 -5328pips)
・1トレードの平均利益 ; +10pips (うち、買 +16pips ・ 売 +4pips)
・損益比 ; 1.12 (うち、買 1.21 ・ 売 1.06)
・最大利益 ; 376pips (うち、買 219pips ・ 売 376pips)
・最大損失 ; -294pips (うち、買 -294pips ・ 売 -200pips)
4.バックテスト結果の考察 ------------
4-1.期間全体 ------
テスト対象期間では年ベースでは、
3年ともプラスとなっています。
(利益の大小はありますが)
勝率は52%で損益比が1.12なので、
トレード継続によりプラスの利益が期待できそうです。
懸念は総獲得利益に対して最大利益・最大損失が、
占める割合が大きいことです。
これは今後、バックテスト期間を長くすることで、
総獲得利益が上がり、それにより占める割合が
小さくなるかと思います。
4-2.期間分割 ------
次にもう少し期間を細かくして状況を確認します。
(グラフに示した紫の矢印を参考に)
まず矢印(1)(2010年前半)ですが、
ここでは売りトレード(緑線)で
大きく利益を上げています。
次に矢印(2)(2010年中頃)ですが、
売り・買いともに損失が出ており、
うまく手法がフィットしていない期間と言えそうです。
矢印(3)(2010年後半〜2011年後半)ですが、
大幅に利益は増えないながらも、
少しずつは利益が積み上がっています。
矢印(4)(2011年後半から2012年初期)では、
大きく利益を伸ばしていますが、
矢印(5)(2012年中頃)では、 矢印(4)で得た
利益と同程度分のpipsを失っています。
矢印(6)(2012年中頃〜2013年前半)では、
右肩上がりに利益を出しています。
このように期間により
大きく利益を上げる、損失が出るなど、
安定して利益を出し続けることができないため、
リアルトレードで損失が続いた場合、
手法の停止・見切りなど、判断が難しそうです。
4-3.チャートとの関係性 ------
チャート(グレー線)と比較をしてみると、
矢印(4)や矢印(6)などは円安の上昇時に
買いトレードが非常に有効とそうですが、
チャートの動きとの比較については、
もう少しバックテスト期間を広げて、
検証を続けないと、現時点では明言は難しそうです。
5.資産の増減率 ------------
上記ではpipsベースで記載をしてきましたが、
ここでは実際に資産がどの程度、
増減するかについてです。
資産増減を考えるにあたり、
1トレード当たりのリスクの取り方により
結果は異なるため、ここでは現実的な数値を示します。
まずRob Booker氏も勧めている、
1トレード当たりのリスクを資産の1%とした場合、
+31%の資産増加となります。
(単純に年率10%程度)
しかしトレード手法に一貫性を持ち、
もう少しリスクをとることが出来ると判断し、
1トレード当たりのリスクを
1%から2%とした場合には、
+97%となり資産は倍増となります。
(単純に年率32%程度)
なお、さらにリスクを増やせば
当然それだけ資産の増え方は爆発的になりますが、
現実的にそういったトレードは行わないため、
このあたりで試算は止めておきます。
(もしリスクを上げると資産はどうなる?と
興味のある方はブログのコメントでもツイッターでも
メッセージを頂ければ試算をして返信します)
6.トレード間隔 ------------
前述のようにトレード回数は3年3ヶ月で
231回と多くはありません。
相場状況によりトレード日数間隔が開くことも予想されます。
下図はトレード間隔日数の出現回数を整理したものです。
なお土日は除いた日数としており、
例えば木曜の次に火曜にトレードがあれば、
実際には金・土・日・月の4日間ですが、
ここでは金・月(土日除き)の2日間となります。
まず単純な平均でみると、
トレード間隔日数は5.6日となります。
そして間隔2日を中心に1日から8日が大半を占めており、
1週間に1回、また2週間に1回程度の間隔なら、
バックテストによる想定内と言えます。
一方では月に1回といった時期もあるようで、
エントリーチャンスが来なくても、
あせらずにマイルールに従い、
チャンスを待つ必要がありそうです。
7.今後の課題 ------------
以上が2010年~2013年3月までの
NYボックス ver.5.2(ユーロ円)バックテストの結果となります。
全体としては利益計上が出来ており、
今まで通りにリアルトレードを進めていきますが、
いくつかの課題とそれを改善するためのアイデア、
今後の作業予定について述べていきます。
7-1.テスト期間の拡張 ------
利益積み上げが大きかったのが
2012年後半からの円安相場でした。
より様々な相場状況下でも適応性を見るためにも、
もう少し広い期間でのバックテストを行ってみます。
7-2.利益損失の改善 ------
利益の積み上がり方が安定的な
右肩上がりではなく、期間により
振れ幅が大きくなっています。
1トレードあたりのリスクは1%としていますが、
明らかに負けトレードとなりそうな場合は、
もう少し早めにロスカット出来ないか、
検討する必要がありそうです。
テストを行った感覚ですが、
エントリーしたのち、日本時間の25時頃の時点で、
含み損がある場合、比較的そのままストップロスに
かかる傾向がある気がしています。
例えば25時時点で含み損がある場合、
ポジションの半分はストップさせるのも良いかもしれません。
7-3.多通貨ペアでのバックテスト ------
Bradley Flied氏からの指摘もあり、
ユーロ円以外の通貨でも2012年のみですが、
バックテストは実施しています。
テストを行った通貨ペアは
ドル円・ユーロドル・豪ドル円・ポンド円・ポンドドル・
スイス円・ドルスイス・カナダ円
となりますが、今回は記事が長くなったため
またの機会に整理をして、このブログで紹介します。
8.さいごに ------------
バックテストは淡々とした作業になりがちですが、
事前に想定したアイデアが適用出来るのか?
何か改善できるアイデアはないか?などと
考えながら行うため、
慣れてくればなかなか楽しい作業かと思います。
それよりもバックテストで確証が持てない限り、
その手法をリアルトレードで使おうという気には
なりません。
Rob Booker氏は少なくとも1000回のバックテストを
推奨していますが、1000回程度なら比較的にすぐに終わりますし、
なにより1000回では足りなく感じるかもしれません。
皆さんもぜひ、バックテストを!
追伸)
バックテスト結果等について、
不明・疑問点等あれば、
このブログのコメント・ツイッター・フェイスブックで
メッセージを頂ければ返信いたします。
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